基礎知識として・・・コンクリート製造に必要な砂、一般的に塩分を含んだ海の砂は不適と言われていますので、少し調べてみました。
砂はコンクリートの密度や強度を高める役割があり必要
1セメントと水だけでは固まってもひび割れがじる2砂を混ぜることで強固になり、量も増える3砂は粒が細かいため、コンクリートの密度や強度を高める4粒度の細かい砂(細目砂)を使うことで表面の仕上げがより滑らかになる
配合
1 コンクリートの混合比は、一般的にはセメント1に対して砂3、砂利6
2 さらに強度が必要とする時は1:24
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セメントは何で出来ているか
原料・・・石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料(銅からみ、硫化鉄鉱からみ、他)、せっこうなど
製造工程
1 石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料を所定の配合割合になるように粉砕、乾燥、混合して粉体原料を作る。2 高温で焼いて酸化カルシウムを生成 3 固まる速さを調整するために若干の石こうやその他の材料を加える
セメントの主成分
# 珪酸三カルシウム((CaO)3(SiO2)
# 珪酸二カルシウム((CaO)2(SiO2))
# アルミン酸三カルシウム((CaO)3(Al2O3))
# 鉄アルミン酸四カルシウム((CaO)4(Al2O3)(Fe2O3))
セメントは単体で使われることは殆ど無く、水をはじめ、砂・砂利などの骨材を混ぜて使います。
コンクリートの優位性
強固、安い、好みの形に出来るなどから現在、ビル建築などこれに代わるものはない。
2025年大阪万博では木造建築が注目されたが、自由自在ではない
コンクリートの劣化を防ぐ方法
コンクリートの弱点・・・ひび割れが生じ劣化と引っ張り力が弱い、よって引っ張り力が強い鉄筋を入れるがひびから水や大気中の炭酸ガスが侵入、鉄筋を腐食させる。
それを防止するため、灰を入れる。灰を入れるとコンクリートの流動性がよくなり隙間のないコンクリートが出来る。<良質な灰、砂、砂利も大切な要素>
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灰を調達する新たなアイデア産業廃棄物を利用する 天然資源の使用を押えられる
1 石炭を燃やす火力発電所の廃棄物から得られる。
2 製鉄所からも、同じような作用がある「スラグ」という廃棄物を調達できる。
今後の課題・・・コンクリートそのもののリサイクル海水使用について・・・現在、コンクリートの練り混ぜに使う水に海水や未洗浄の海砂を使う事は鋼材腐食の懸念から、特に鉄筋コンクリート、プレストコンクリートの分野では認められていない。
がしかし、過去に海水が使われた事は多々あり50年以上経過しても問題なく使用されている灯台もある。(備前長崎鼻灯台)
世界の水を考える・・・
①人口の増大や急激な都市化の進展によって2050年には世界の飲用水が困窮するとも予測されている。
②地球には約14億km3もの水が存在するが,海水がそのうちの96.5%を占め,淡水の割合は2.5%程度で,約0.35億km3である。③そのまま利用可能な淡水はそのうちの30%で,地球上の全水量の0.8%(0.1億km3)練混ぜ水,養生水,清掃水等に利用される水は世界で年間数十億トンにのぼるため,これらの用途に積極的に海水を利用することで,水資源を有効に利用することができる過去には海水や海砂を使用した建造物があったが、劣化の早さがあるという事で規制がかかったため、現在の建物には使われていないのが現状であるが前出の東大や軍艦島のように長期間保たれているものもあると言う事実から、適切な計画、設計、施工等を行えば、問題なく海水をコンクリートの練り水として使用できると示唆されている。
また近年、研究開発が進み、高炉スラグ微粉末やフライアッシュのような副産物および海水練り用特殊混和剤を用いることで,強度の増進や水密性の向上などの品質向上効果が明らかになってきている。このような特長と,水の調達におけるメリットがみとめられ,東日本大震災における港湾施設の復旧工事にも適用された。
また,現在では,被覆鉄筋やステンレス鉄筋,炭素繊維ロッドのような防食性の高い補強材が開発されており(図-4),今後は鉄筋コンクリート構造物にも適用が展開できると考えられる。
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4. 最近の動向
海水練りコンクリートについて,近年になって新たに研究開発が行われています(表-1)。これらの研究の中で,
表-1 新しく開発された海水練りコンクリート | ||
名称 | 特長 | 適用事例 (実証試験なども含む) |
高耐久海水練りコンクリート | 混和材(高炉スラグ微粉末,フライアッシュなど)や特殊混和剤を使用することにより,強度や耐久性を向上させたコンクリート | ・消波ブロック (震災がれきを骨材として使用) ・舗装コンクリート (製鋼スラグを骨材として使用) |
海水・海砂を用いた自己充填型コンクリート | 高炉セメントと新たに開発した混和剤を使用した自己充填性を持つコンクリート | ・漁場施設ブロック ・防波堤本体ブロック (いずれも震災がれきを骨材として使用) |
スラグ併用石炭灰コンクリート | フライアッシュ原粉を多量使用し,銅スラグ,製鋼スラグなどを骨材として使用することで単位容積質量を確保したコンクリート | ・大型消波ブロック (各種スラグを重量骨材として使用) |
1 高耐久海水練りコンクリートの圧縮強度imp 2高耐久海水練りコンクリートの圧縮強度(高炉スラグ微粉末50%置き換え) 3 高耐久海水練りコンクリートの 透水係数imp 4 海水練りコンクリートを適用した港湾用ブロック(相馬港)imp 。
他 A エポキシ樹脂塗装鉄筋imp=結果、腐食無し B 炭素繊維imp=結果、腐食無し c 普通鉄筋imp=結果、腐食。 補強材の腐食促進試験結果(オートクレーブ試験33サイクル)
次に海砂はどうなのか?
コンクリートに海砂を使用する場合は、塩分量を規定値以下に抑える必要があります。塩分を多く含む海砂は、鉄筋の腐食やコンクリートの強度低下を引き起こす可能性があるため。
【海砂使用のメリット】
地産地消が可能で環境に優しい
厳しい自然環境でも高い耐久性を確保できる
工期短縮や省力化が図れる
【海砂使用のデメリット】
鉄筋の腐食やコンクリートの強度低下を引き起こす可能性がある塩分がコンクリート内部に浸透し、塩害を引き起こす可能性がある
【海砂使用の注意点】
海砂を十分に水洗いする
塩分量を規定値以下にする
鉄筋コンクリートやプレストコンクリートの分野では使用が認められていない
製造設備の貯水槽や配管、計量器などの海水による腐食劣化を防止する
通常のコンクリートと海水練りコンクリートを交互に製造するのは難しいため、海水練りコンクリート専用の製造プラント設備を設ける
【海砂使用の事例】
淡水や陸砂が不足している遠隔離島での工事
大規模災害時の緊急復旧工事
東日本大震災の港湾施設の復旧工事など
海砂は、コンクリートの骨材やガーデニング、排水路などに使用されます。
【用途】
コンクリートの骨材として、海や河口付近から採取された砂を使用します。
ガーデニングや排水路などで使用されます。
海水練りコンクリートとして、淡水や陸砂が不足している遠隔離島や大規模災害時の緊急復旧工事などにも使用されます。
【海砂の特徴】
塩化物を多く含み、貝殻などが混入している場合があります。
粒径が比較的そろっており、水の流れによって粒子同士がぶつかり合い、角が少なく、丸みを帯びています。
【注意点】
海砂には塩化物を多く含むものがあり、そのまま骨材として使用すると鉄筋の腐食やコンクリート強度の低下を招く可能性があります。海砂の大量採取による環境への影響も発生しており、特に採取量が多い瀬戸内海沿岸地域では、生物や海藻の減少、海の透明度の低下などが問題となっています。海岸の砂浜はそのほとんどが国有海浜地(公共海岸)であり、土石類(砂を含む。)の採取は海岸管理者である都道府県知事の許可を受けなければ採取することはできません。